彼女のこんだて帖 レビュー
いろんなジャンルの小説を読みますが、角田光代さんの 彼女のこんだて帖 は何度も読み返している中の一冊。
生活してると、心踊ることなんて毎日は無いし
むしろしょんぼりすることばっかり
どーにもテンション上がらなくて料理なんかめんどくせぇーーーって時にオススメの本です。
レシピ付きの連載短編小説で、それぞれの編の登場人物が同僚だったり、親子だったりして繋がってます。
長年付き合った彼氏に振られた後、久しぶりの一人の週末のディナーのためのレシピ。
亡くなった妻の料理を再現するべく料理教室に通うおじさんのレシピ。などなど。
私が買ったのは文庫版ですが、巻末に写真付きでレシピが載っていてどれも美味しそう!
(写真見なくても文章だけでだいぶよだれ出ます)
ものすごく読みやすくてスイスイ読めちゃいます。
全然違う立場の登場人物にも不思議と感情移入してしまう。
やさぐれた心がほどけて、ちょっと台所でも磨いてお料理しようかしら と思わせてくれる本です。
読み終わったとき、あれ?もう終わっちゃった!って思う。
巻末にレシピが載ってるので、あと何ページもあるや!って思ってるとがっくりします。毎回忘れてて、あ!終わっちゃった!!!って思う。
短編集で、テーマもお料理と決まっててこれだけ1つ1つのお話が全部面白い本は私はあんまり出会ってません。
空いた時間に読めるのでカバンに入れて持ち歩くのにもぴったりな本です。
本の表紙が私が大好きな魚喃キリコさんのイラストなんですが、雰囲気ぴったり。
とーーってもおすすめ。